職場で顔を合わすことの大切さ

顔を合わせることって大切だなあと最近つくづく感じます。僕は職場で総務課というところに配属されているのですが、総務課には総務課のメンバー全員が共有しているメールボックスがあります。そのメールボックスには次から次へと仕事が受信され、仕事内容によって誰がそれを担当するかが決まります。予算関係は〇〇さん、人事関係は〇〇さん、というように、メールの内容によって誰が仕事を処理するかが振り分けられるわけです。でもメールによっては担当を明確に判別できないようなものもあります。そういうメールを受信した時、そのメールは担当に振り分けられることなく、受信ボックスの中に放置されます。問題はこのメールを誰が処理するかです。

自分が処理担当だと感じる人がいればその人が率先して自分の仕事に振り分けるのですが、誰もそれを自分の仕事だと感じることがなければ、そのメールはいつまでも受信ボックスの中に放置されます。もしかしたら自分が処理担当かもしれないなと内心感じている場合にも、誰かがその仕事を(自分の代わりに)処理してくれないか様子を見てみたりもします。それでもしばらくするとほとんどのメールは誰かしらが自分の仕事として引き受けるのですが、たまに放置され続けるメールがあって、処理期限が間近に迫ってから「なんでこの仕事だれも担当してないの?」とみんなで慌てることがあります。

僕はこの問題が生じる原因は、顔を合わせることがない人たちがいることにあると思っています。実は総務課のメンバーは一箇所に固まっておらず、数人は違うフロアに席が設けられています。そうなると、同じ総務課の中でもほとんど顔を合わせない人が出てくることになります。そして、往々にして処理されずに放置されるメールというのは、この顔を合わせない人の間でどっちが処理するか判断がつきにくいメールなのです。

誰しも、顔をよく合わせる人にはそれだけ好意が湧きます(これを心理学ではザイオンス効果と言います)。だから普段から物理的に近くで仕事をしている人の間で、担当が判別しにくいメールがある場合には、「私これ担当しますよ」という良心的な人が現れやすい。でも顔が見えない人の間で担当が判別しづらいメールがある場合には、「このメールはあの人の管轄なんじゃないかな?」「そのうちやってくれるだろう」くらいの投げやりな感覚に陥りやすいのです。ともすれば「なんであの人の担当なのにいつまでも放置してるんだろう?」という不満がお互いに募ってきたりもします。在宅ワークなんかで物理的な距離が離れつつある今日このごろですが、顔を合わせることって大切だなと改めて思わされます。