軽んじられる首相記者会見

私は現在公務員として働いておりまして、毎日お昼休みには、職場に設置されているテレビでNHKが流れています。いつもは12時から15分ほど全国ニュースが放送されているのですが、今日は、コロナの感染拡大を受けて1都3県の飲食店に夜間の営業時短要請を出すやらで菅首相が午前中に記者会見を行った関係で、全国ニュースが拡大放送されていました。静岡県に直接関係するわけではありませんが、国の趨勢に関わる重要な記者会見に違いありません。面白いのは、それにもかかわらずほとんどの職員がテレビに目を向けていなかったことです。

 

お昼のニュースで午前中に行われた首相会見のハイライトがものものしく流されているのですから、もっと職員は関心をもっていいはずですし、釘付けになってテレビを見ているような人が1人や2人いたところでなんの不思議もありません。でもそうなっていない。もしかしたらテレビの前に張り付いて見たい人もいるのかもしれませんが、実際にそれを行動に移している人はいない。ほとんどの人が意識的にテレビに目を向けないようにしているようでした。

 

これはとても象徴的な出来事だと思います。なにを象徴しているかといえば、もちろん当今の政権の支持率の低さです。多くの人は菅首相の会見に目を向け耳を傾けることを嫌った。首相会見に興味を示さないというのは、「私は現政権になにも期待していません」という意思表示だと思いますが、首相会見に興味を示さないことが知的な振る舞いであると多くの人は思っているようでした。どうせ側近に言われるがままに後手後手の政策を打つんでしょ、くらいのことしか思われていないようです。職場に響く菅首相の声と、それを無視するかのような冷たい沈黙からは、あんたの政治にはもう飽き飽きだよという雰囲気を感じました。つくづく現政権の先は長くないと思わされるお昼でした。